
【業種】
複合サービス事業(県連合会・商工会議所)
【新規サービス目的】
自治体や公的支援機関では、地域企業や団体の課題解決に向けて、外部の人材を派遣する支援制度が数多く実施されています。しかし、その運用には以下のような課題が存在していました。
- 派遣依頼先企業や人材の情報がExcelや紙ベースで管理されており、検索や集計に時間がかかる
- 派遣確定~指導終了までの進捗管理が属人化しており、対応漏れや支払遅延が発生するリスクがある
- 謝金支払処理において、実際の派遣実績と金額の突合が煩雑
- 年度単位での予算・支出・実績管理が困難で、施策効果の見える化が不十分
これらの課題に対し、短期間かつ低コストで次のような業務アプリを構築することが今回のプロジェクト目的でした。
【課題】
新たに始動した業務の支援システムを開発する上で、下記のような課題がありました。
- 完全新規業務のため、初期段階では要件が確定しておらず、都度の仕様変更が前提
- ユーザー側の要望は、実際の画面を見ながら具体化されるケースが多く、反復的な調整が不可欠
- 初期工数・コストの抑制が求められた一方で、短期間での立ち上げと実運用への即応性も必要
- SSL環境などセキュアなインフラ構築もプロジェクト内で対応が必要
【AIフリーコード採用の決め手】
- 設計書ベースで業務機能・画面・帳票をすべて自動生成できる開発基盤
- 変更発生時も設計書を修正するだけで再生成できるため、柔軟な仕様変更に即対応可能
- 初期20機能 → 開発途中で55機能まで拡張したがすべて設計書更新+ソース自動再生成のみで対応し、人的コーディング不要で品質とスピードを両立
- SSLや権限管理、帳票出力など、セキュリティ性と業務運用性の両立が可能
- 段階的拡張に強いアーキテクチャであったため、不確定な要件に対して最小限の初期構築で対応
【解決策・導入プロセス】
今回の開発では、提供いただいた既存Excelファイルと要件書をもとに、WFC社がゼロベースからシステム構築を実施しました。
具体的には以下の取り組みを行いました。
- ワンダーシート(WS)を活用し、開発前に画面設計・DB構成の整合性をWEB上で可視化し、認識齟齬を防止
- ワンダーロボ設計とワンダーシートによって、設計・開発・テスト・環境構築まですべての工程をサポート
- 要件変更や仕様追加にも、設計書を修正するだけで即対応が可能な体制を構築、アジャイル的な開発運用を実現
- サーバー設計・構成についても、マルチテナント構築などの技術的要件に対し、密な打ち合わせを通じて最適な環境構築をサポート
【導入成果と実績】
- 設計から開発、テスト、環境構築までをAIフリーコード+設計書で完結
- 初期20機能 → 最終55機能へ段階拡張しながら、追加・修正も高速反映が可能な体制を実現
- 全ソースコードはAIフリーコードによる自動生成、人的コーディングゼロ
- 実質3ヶ月で主要機能を完成させ、運用準備まで完了
- SSL設定を含むマルチテナントの運用環境の構築支援も並行して実施
【構築された主な機能】
- 人材情報・派遣先企業情報の一元管理
- 依頼内容と希望条件に基づく派遣マッチング管理
- 派遣確定・支援スケジュールの進捗ステータス管理
- 指導成果報告のWeb入力・確認フロー機能
- 謝金支払処理と連動した実績金額の管理
- 年度別の予算・支出・実績データの集計、チャート分析、CSV出力対応
- 各種報告帳票(派遣履歴、謝金支払一覧、年度実績報告など)のPDF印刷機能
【開発内容と構成】
項目 | 数値 |
テーブル設計 | 25テーブル |
ビュー定義 | 8ビュー |
関数定義 | 10関数 |
画面数 | 32画面 |
帳票数 | 17帳票(複雑構成含む) |
機能定義 | 20 → 最終55機能 |
エクスポート | 4件 |
チャート機能 | 2画面 |
【コース削減効果と導入インパクト】
- 通常開発なら10~12人月規模の構築が想定される案件に対し、AIフリーコード+設計書ベース開発により、約4~5人月で構築完了
- 初期機能+後半の大幅追加にも関わらず、再開発不要・設計書更新のみで柔軟対応
- ユーザー確認と並行して開発が進められ、仕様が流動的なプロジェクトにも高適応
【導入メリットまとめ】
- 完全自動生成により、手作業によるソース開発ゼロで高品質な業務システムを構築
- 要件未確定でも、画面を見ながら仕様調整 → 即反映できる開発サイクルを実現
- SSL対応などのセキュリティ要件にも即対応可能な柔軟性
- 設計書がテンプレート化されており、他業務領域や他拠点展開にも流用可能
- 小さく始めて大きく育てる開発アプローチに最適なAI開発基盤